そんなあなたに、私はなりたい

 家の中には多くの感謝状と賞状がたくさんありました。
 小学校の教師をなさっていたハルエさんは、多くのすばらしい生徒を育ててきました。そして今でもそのころの教え子達から感謝されています。家まで遊びに来てくれたり、ファックスが届いたり、様々な手段でたくさんの交流をとっています。ハルエさんの『人に物事を教えてあげる・人のためになる』という気持ちは、教師を辞めてからもなくなることはありません。婦人団体の部長を務めたり、生活改善研究会の会長を務めるなど、数多くの役員をこなし、多くの早川町の活動に参加されてきました。さらに、早川町ではただ一人という、ゲートボールの審判員の免許を持っている、元気いっぱいのおばあちゃんです。
 このような婦人団体の話や早川町の話などについて、私たち取材班が正確に取材できたのにも、ある秘密があります。その秘密とは、ハルエさんの几帳面な性格です。ハルエさんは昭和37年から現在まで、毎日日記をつけるなどして、その日に起こったことや感じたことを細かく記録しているのです。その記録帳の量は、数えきれません。
 そのうちこの記録帳をまとめるのが目標だと、ハルエさんは言います。そして、これからのもう一つの目標としてこんな事を教えてくれました。『明るい、その場にいるだけで空気がよくなるような、素敵なおばあちゃんになりたい。みんなの心が安らぐ、そんなあなたに私はなりたい。』

  • そんなあなたに、私はなりたい

ハルエさん

居住地 硯島地区 馬場
取材日 2002/08/03
取材者名 田部井 正