区長さんは林業3人前!?

 北村の区長の勝海さんは林業をしています。今日も十谷の山に入って作業をしてきました。
 現在では林業は植林と植えた木々の手入れが主な仕事となっています。春は植林、夏は下草刈り、秋は除伐、冬は枝おとしと、年間を通してこのようなサイクルで森を作っているそうです。下草刈りは木を植えて5年ほど、除伐というのは雑木などを切る作業で10年ほど行うのだそうです。
 以前の林業は材木や製紙用に出荷していたのだそうですが、輸入材が入ってきたために木材が売れなくなり、多くの人が当時盛んであった土建業に転職してしまいました。現在では林業に携わっている人は北村地区では勝海さん1人、早川町全体でも20人ちょっとしかいないそうです。ただ、仕事が減っても仕事をする人も減ったので、厳しいながらもやっていけると話してくれました。
 この集落の奥には、御用木沢というところがあるそうです。これは江戸時代に江戸城を作るための木材を切り出したところで、そのときの古文書が残っているそうです。雨畑川をダムのようにせき止めてそれを一気に崩壊させることにより、伐採した木材を下流へと送ったようです。その後、その周辺は国有林となっていたのですが、台風でこの町が打撃を受けたときに山梨県が明治天皇からその山を戴いたため、現在では恩賜林となっています。
 昔は家も貧しく非常に苦労をしたのですが、様々な経験をすることができ、人と接したり仕事をしていく上で非常に役に立っているそうです。そのため周りから頼られることも多く、たくさんの仕事を引き受けてしまいます。

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勝海さん

居住地 硯島地区 本村(北村)