お話するのが大好きな旅館の御主人

 求さんは旅館「からまつ荘」の御主人です。「からまつ荘」は吊り橋を渡って、カラマツ林を抜けたところにある、とても素敵な旅館です。
 求さんは山梨県企業局に勤めていたのですが、結婚して二、三年後に上湯島から移って、奥さんとお母さんで旅館を始め、定年退職とともに、旅館に専念することになりました。
 お庭ではベニドウダンやサラサドウダンなどいろいろな植物を育てており、庭園のようになっています。また、椎茸やナス、トマト、きゅうりなどの野菜や、コゴミやウド、タラといった山菜などを、家で使う分だけつくっています。前は鶏(名古屋コーチン)も飼っていました。鶏を狙ってやってくる犬や狐、カラスなどから守るために、鶏小屋には色々な工夫をして、大切に育てていました。今は鶏を仕入れていたところのおじいさんが亡くなられため、鶏が手に入らなくなってしまったそうですが、自分で育てた鶏の新鮮な卵を食べたい、鶏を丸焼きにして食べたい、という目標を持っています。
 「やりたいと思ったことは、何でもやる。」「人間やりたいことはやらなきゃダメだ。」「お客さんみんなに楽しんでもらいたい。」という求さん。吊り橋を架けて、カラマツ林を切り開いて旅館を開き、釣り堀を始め、旅館にあるほとんどのものを自分の手で作ってきました。そんな求さんですが、奥さんがいる時は、あまり仕事をしないで、奥さんがいない時に仕事をして、帰ってきた奥さんを驚かせることが好きだそうです。
 今後はこのからまつ荘をどうしたいですか、と聞いたところ、「今のままのからまつ荘を持続させていきたい。」「自分が楽しんでいければそれでいい。」と、商売として旅館をすることよりも、お客さんや自分たちが楽しむところにしたい、と言っていました。

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求さん

居住地 西山地区 温泉
取材日 2002/08/29
取材者名 久保 岳生