家を直す

 屋根の葺き替え工事をしている中、まさ子さんのお宅にお邪魔しました。昭和10年の12月にこちらに来ました。でも、今は甲府と早川の2つのお家を行ったり来たりしているのだそうです。寒い時期はあまり早川へは来ないそうですが、暑い時期はちょくちょく来るとか。バスと列車を乗り継いでの移動です。早川はいいところだと思います。でも、外がすぐ段々になっているのだけが困ります。足も悪いし、転んだりしたら大変です。
 まさ子さんは、この家を、自分が生きているうちに全部直さなければ、という思いで、屋根の葺き替えをしています。自分のあと、この家を必ず見てくれるという人がないために、自分がやらなければ、という思いを持っているのです。でも、屋根が直れば、家屋の一番肝心なところが変わるので、安気です。
 今までの屋根は、昔の板葺きで、それにトタンをかぶせたものでした。屋根材がだいぶ腐っているかと思ったのですが、案外腐らず残っていました。この家のおじいさんが大工だったので、おそらく立派に作ったのでしょう。
 80歳を越えているとはとても思えないお姿と行動力のまさ子さん。「自分が家を直さなければ」という思いに、ご先祖様への責任感の強さを感じました。

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まさ子さん

居住地 三里地区 新倉
取材日 2001/12/03