おしどり夫婦と凝り性小学生
「町営住宅に住んだのは、夫婦二人だけの生活にあこがれたからですよ」。いきなりのろけてくれたのは紀さん・直美さんご夫婦だ。二人とも早川町出身で、それぞれの実家が今も早川町内にある。直美さんの兄弟が紀さんと同級生で、それが結婚するきっかけだった。
「早川町のいいところは、町民ほとんどがどの集落の誰某の子供かすぐわかるんですよ」。紀さんに言わせると、早川町内のそれぞれの集落で、言葉のイントネーションは微妙に異なるそうだ。だからしゃべり方で大体どの集落の人かわかるらしい。「誰がどこに住んでいて、顔もわかるのが田舎のいいところですよ」。
一人息子の健太郎くんは小学四年生。小さい頃は電車が好きで、本と実地見学によって、ありとあらゆる電車の車種名を暗記したそうだ。このごろは畑をいじる楽しさを覚えた。まだ、いつの時期に何を植えたらいいかは全然わからない。だから野菜の種を季節外れに植えてしまう。「でもね、この前芽が出たんですよ」と紀さんは目を細める。また、料理が好きで、お祖母さんの家に遊びに行ったりしたときは自分で食事を作る。ただ味の好みは自分好みにアレンジするので、砂糖を普通よりも大目の分量で入れてしまうそうです。それでも土いじりと料理にその若さではまりこむ健太郎くんは、早川町でも大いに期待できる人材であることにちがいはないだろう。
紀さん 直美さん
居住地 | 硯島地区 大島 |
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取材日 | 2002/03/09 |
取材者名 | 手塚 佳介 |