おにぎりを握らせたら江戸屋さん

 赤沢宿は現在でも、5月から11月頃まで七面山への参拝客でにぎわいます。翌日、七面山への登山を控えた参拝客が赤沢宿に泊まる日は大忙しです。参拝の道中の空腹を満たすためのおにぎりを、夜中から女衆が総出で握り始めるのです。おにぎりの大きさは、八尺や一合二尺といった超特大。それを一人二つ、100人を越える参拝客に握るのです。
 炊きあがったご飯の入った巨大なおひつから、手にあふれんばかりのご飯をとりだし、おかあさんの手の中で2、3回くるくると踊ると、瞬く間に形のいい三角おにぎりができあがります。長年の経験で、大きさも形もピタリとそろったおにぎりが、長方形の木の箱に行儀よく並んでいきます。
 おにぎりをつくり終わる頃にはもう夜明け。熱々のご飯で真っ赤になった手を振って、おにぎりを手にした参拝客を送り出します。

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江戸屋さん

居住地 本建地区 赤沢