温もり制作

 利江さんお手製のぬいぐるみや刺子で飾られているお部屋で、お話を伺いました。小さい頃から、編み物がお好きだったそうです。プーさんや、ドラえもん、ピカチュウなどのぬいぐるみは、どれもとてもかわいらしく座って、利江さん御家族を見守っています。刺子の腕前も、昨年の夏、山梨県で賞をとられた程で、現在は、こたつのかけ布を刺子で作られています。
 お生まれは、富士吉田市。昭和30年頃、だんなさんのお仕事の関係で早川に移り住みました。今は、息子さんと2人のお孫さんと暮らしています。利江さんが、お食事や生活のほとんどを受け持っておられ、ご自身が病気の際などには家族の方が困るだろう、とご心配もされているご様子でした。一方で、お孫さん達が、好き嫌いなく成長していることに安心も感じられています。
 新倉に住み始めた当初、この辺りは、道も暗く、舗装もままならぬ状態で、随分さびしい思いをされました。吊り橋をバスが渡ったとは、いやはや、びっくりしました。最近では、猿の被害も目に付き、お邪魔させて頂いていたこの日も、利江さん宅のお庭の大きな柿木の実をねらってやって来ていました。この日で、3日連続の被害だそうです。道に苦労された昔の悩み、自然が減り、野生動物たちが里におりおてくるようになった現代の悩み、時代の移り変わり、また、その時々抱える思いの違いを実感致しました。手がけている大きな刺子のかけ布を広げて見せてくださった利江さん。来年の今頃には、このかけ布で、御家族みんなで、食卓を囲むことでしょう。

  • 温もり制作
  • 温もり制作

利江さん

居住地 三里地区 新倉
取材日 2001/12/04
取材者名 奥津 直子