器用なおばあちゃん

 大根のゆず巻きと梅のあま漬けをいただきました。きぬ子さんは百姓をやめてた後も、自分で食べる分は自分で作るそうです。梅のあま漬けは、本当は漬けたての6月ごろがしゃりしゃりして一番おいしいといいますが、絶妙のあまさ加減でとてもおいしくいただきました。
 昔は米・あわ・きびのほか何でも作っていたそうです。毎日毎日朝から晩まで農作業をしていて、山を見る余裕もなかったといいますが、やめて初めて山をじっくりと見るようになり、紅葉がきれいだと感じられるようになったそうです。
 趣味は2週に1回のデイサービス。小物づくりが好きで写真のような鶴や籠を作っています。昔の新倉での生活についても話してくれました。小学生の頃はむくの木のおはじきなどで遊んだそうです。ダムの工事中は賑やかで、新倉には雑貨屋・呉服屋・映画館・パチンコ屋など何でもあったそうです。
 でも今は職場もなく、人もいなくなりました。しかし人情だけは残っています。ちょっと立ち寄ってお茶を飲みながらお話をする、そんな温かい近所付き合いがあるのでやはりここはいいところだと感じるそうです。昔は苦労したけど、その苦労があったからこそ今の楽な生活がある。だから幸せだといいます。

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きぬ子さん

居住地 三里地区 新倉
取材日 2001/12/03