人生に楽しい挑戦を

 泰子さんはもともと小・中学校の先生でした。
 しかし5年ほど前に長い教師生活にピリオドを打ち、それをきっかけに、遊んでいた野鳥公園やヘルシー美里の入り口の道路脇の荒れ地を拓いて畑や花畑を作りました。
 また、おばあちゃん達は自家製の得意な漬け物を持っていたので、そのおいしい漬け物を自分たちだけで食べているのではもったいないと思い、みやげ物や畑でとれた野菜と一緒に自分たちの手で売る店を始めました。
 その名も「おばあちゃんたちの店」。
 教師時代には近所の人達ととけ込む余裕がなかった泰子さんにとって、新しい人生へのひとつの挑戦でした。 実際始めてみると失敗も自分が一番多かったそうですが、でもそれがかえって「先生」というイメージを解き、周囲にとけ込むきっかけになったのかもしれない、と泰子さんは振り返ります。
 「おばあちゃんたちの店」は売る側も買う側も楽しむお店です。「楽しい!」ということは、どんな大義名分より大切。そう考える泰子さんたちは、気温と作物の採れる時期を考え、春先から本格的に寒くなる11月までを開店期間、冬場は冬眠期間ということを決めています。
 泰子さんの挑戦はそれだけではありません。愛育会で乳幼児検診のお手伝いやみんなの健康をすすめる活動をしています。その活動で調査したところ、川の上流に住んでいる早川町にまだ川へゴミなどを流す人たちがいることを知り、とても残念に思っています。
 また、町で行われている俳句会や日本舞踊の会、生涯学習を目的とした勧学院や古文書研究、絵手紙教室にも参加。一昨年からは、お友達のご夫婦と一緒に年に二、三度、山梨百名山への挑戦も始めました。何度かめげそうになりながらも励まされて登頂した時の達成感や美しい風景が、また次につながる意欲を湧かせ、泰子さんの挑戦はまだまだ続きます。
 でも、これだけやっても生活にゆとりはあるといいます。家族みんなが精神的生活的に自立しているからこその多趣味。私は家族や友人に恵まれている、と最後に泰子さんはおっしゃっていました。

 《子ども調査員の感想》

 まいちゃん
 教師をやっていた時のことを聞いて色々大変そうなんだなと思った。しかも、お説教は、5分と続いたことがないと言われびっくりした。あと、昔の遊びを聞いてみてSケンがあってと昔もあったことがすごかった。

 あきらくん
 取材を終えてむかしの人のことやようすがわかってよかったです。また、泰子さんから普段の話を聞いて、楽しいことがあっていいなと思いました。この取材で一番わかったことは、昔の人は、苦労したり、また、昔のほうが賑やかだったことです。

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泰子さん

居住地 三里地区 新倉
取材日 2001/12/03
取材者名 小宮 一穂