綺麗なお花に囲まれて

 馬場に郵便局ができたのは昭和18年4月。開局と同時に入局された錦作さんは、退職までの48年3ヶ月という長期に渡って勤務されました。入局された当時は電報は郵便局員が届けるものだったので、半日がかりで届けにいくことも珍しくなく、一泊を要したものさえあったそうです。

 錦作さんは本職の郵便局以外でも消防団の副団長を始め、数多くの役職に就かれ、地域の発展に貢献されてきました。その数は、家族の出来事を書き綴っている年表が、錦作さんの就いてこられた地域の役職の多さのために、便せん何ページにも及んでしまうほどです。

 奥様のあい子さんは、フラワーアレンジメントをされていて、交流センターにもお花を生けに来てくれます。その腕前は入選作をいくつも持つほどで、みんなが楽しみにしています。お花、といえば
 錦作さんは庭で菊を毎年育てていて、町の文化祭に15年ほど出展されているそうです。
 素敵な庭には他にも今が盛りの向日葵や色々な木々があり、手作りの池には立派な鯉が泳いでいました。

 お料理も得意なあい子さんは取材日の朝に自家製の有機ニンニクと生みたての新鮮な卵を利用したにんにく卵黄を作っていました。お二人の健康の秘訣はきっとあい子さんの作る新鮮でおいしいお料理の賜物なんでしょう。個人的にはあい子さんが漬けた梅がとてもおいしくて気に入ってしまったので、今度ぜひ教えていただきたいなぁと思っています。

 そんな健康で自然を愛するお二人の記憶の中には戦争時代の食料難があり、きっと他の人以上に健康に気配りされているのでしょう。有機栽培で育てられた野菜はご自分たちで食されるだけでなく神奈川県に住むお孫さんのお家にも送られるそうです。今の時代は食料難の心配はありませんが、本当に安心して食べられるものをお孫さんに食べてもらいたいという願いを持っていらっしゃるようです。

  • 綺麗なお花に囲まれて

錦作さん

居住地 硯島地区 馬場