一針一針
ます子さんは古屋の生まれ。学校を卒業後、看護婦になろうと上京しました。現在の昭和医大(当時、昭和医学専門学校)で勉強し、見事看護婦になりました。その後、一度地元に戻り働いたこともあるそうですが、人生の大半を東京で過ごしたとのことでした。
そんなます子さんが、古屋に帰ってきたのは12年前。母親の面倒をみるために、単身東京から戻ってきました。最初は母親が亡くなるまでと思っていたそうですが、その後も古屋に残り現在に至ります。その理由を、「1人でのんきでいいから」と言います。畑仕事をしたり、デイサービスや寿大学にも通っているので楽しいことも多いとのことでした。部屋にはそこで作ったクラフトがたくさん。取材した日はちょうどひな祭りでしたが、前回デイサービスに行ったときに作ったという、紙でできたひな人形も飾ってありました。創作活動がかなり好きなご様子です。
もしかしてそういう趣味をもっていたのではと聞いたところ、若いころから文化刺しゅうに凝っていたということを教えてくれました。文化刺しゅうとは、布のキャンバスに刺しゅうで絵を描いていくもの。1針1針丁寧にこつこつと縫い上げる、とても根気の必要な作業です。これまで100を越える作品を作ったそうですが、ます子さんの家を見渡しても作品は一つしかありません。大半は人にプレゼントしたり、人に頼まれて作ったりしていたそうです。町内でも交流センターやデイサービスセンター、古屋の公民館などでます子さんの作品を見ることが出来ます。 一目みれば感嘆の声をあげること間違いなし。お訪ねの際にはぜひご覧下さい。
ます子さん
居住地 | 五箇地区 古屋 |
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取材日 | 2002/03/03 |
取材者名 | 鞍打 大輔 |