兄弟畑
古屋で生まれ育った靖夫さん。就職のために町外へ出たが、65歳で仕事を終えてからは、家は甲府にあるものの、こちらに残っている実家にやってきては畑をいじったりして楽しんでいる。家を絶やしてはいけないという思いもある。弟も時折やってきて同じように楽しんでいる。
今のこの生活は、気楽でのんびりしていていいし、百姓仕事は食べていくことを考えるとしんどいものだが、趣味でやるには面白い。手をかけたらかけただけ、結果が出るから。東京で暮らしていたこともあるが、満員電車に揺られて通勤していたような生活は、今では考えられず、もう、東京に住むことは出来ない。
戦争前は養蚕をしていたが、終戦直後は食糧難だったので、山の土が良いところは、全部畑にしていた。そばや大豆を栽培していた。田んぼもやっていて、小さい頃はよく手伝った。広かったので、なかなか大変だった。ヤギやウマを飼っていて、草取りをしたこともあった。
川でもよく遊んだ。昔は魚がたくさんいて、ヤマメやウナギがとれた。カゴを沈めて、魚を捕まえたこともあったし、ウナギはミミズで釣っていた。また、鵜飼いのように夜に火を燃して、父親と一緒にさかなをつついたこともあった。
今は、畑もいじっているし、炭も作っている。竹でも炭を作り、木酢液も抽出している。また、ヤマブドウにもとりかかっている。
人が少なくなった古屋では、いちばんの若手になっている。道路の草刈りや、電気柵の管理など、集落の仕事では重要な力。みんな、若手の靖夫さんのことを頼りにしているのです。
靖夫さん
居住地 | 五箇地区 古屋 |
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取材日 | 2002/03/02 |
取材者名 | 伊藤 栄介 |