そばうち上手はもてなし上手

 昭枝さんは早川集落のそば組合が作ったそば屋さん「アルプス」の運営メンバーの1人です。10年前に始めたそば屋は材料のそばの実、ネギ等の生産からそば打ちまで全て集落の女性の手によるものです(正確には耕耘機と脱穀機の使用以外らしいですが)。出汁も完全なオリジナルで、そばの実を挽くのは集落の入り口にある水車を使うなどまさに早川土着のそば屋さん。取材当日はあいにくお店がお休みということで、お家で手料理をごちそうになりました。簡単なものだからと言われたのですが、我々の前に出てきたお皿の数にびっくり。お土産に自家製のお漬物もいただきました。メンバーを代表して「ごちそうさまでした」。
 ここ(早川集落)の人はみんな働き者でまねできないという昭江さんですが、一時は畑仕事の他に養蚕に養豚までやっていたとか。養蚕が忙しい時期は朝の手伝いが終わってから学校に行くために、子供が学校に遅刻していた(お子さんはその事を昭江さんには一言も言わなかったそうです)、豚のお産の時には一睡もせず付き添った等の苦労話を聞きました。更にさかのぼると戦時中には甲府の立川飛行機の工場で働いていたそうで、甲府の大空襲の際にあわやのところで難を逃れたなんてこともあったそうです。
 現在は1人暮らしの昭江さんですが、帰りの遅くなった時にそば屋まで迎えにくるほどの忠猫トラちゃんと一緒に寝ています。取材中も盛んに昭江さんに甘えたがっていたトラちゃん、僕らには近付いてもくれませんでした(笑)。

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昭枝さん

居住地 三里地区 早川
取材日 2002/02/21