子どもの服から、こしのあるそばを作る手へ

 早川生まれ、早川育ちの安子さんは4年前からそば処「アルプス」に勤めています。それまではそばなど作ったことがなかったので最初は苦労したそうです。しかし経験を重ねるうちにだんだん上手になったといいます。力を入れて練ることが、こしのいいそばを作るこつだそうです。ここではそばの栽培も自分たちでやっているので、安子さん自身もそばをまいたり、水車で引いたりといった仕事もやります。夏は早朝5時頃そばをまくそうです。そしてそのまま、作ってきたお弁当を外で食べます。「ひと仕事終わってそのまま外で食べる朝食はとても気持ちがいい。」
 そば以外にも大豆、あずき、米も作ります。昔は養蚕もやったそうです。趣味は裁縫で和裁も洋裁もできるとのこと。和裁は早川集落にいた先生に習い、洋裁は西島で下宿をしながら習ったといいます。今は和服を着る人が少なくなったので和裁の方はほとんどやらなくなってしまいましたが、子どもが小学校に通っていた頃は、子どもの服は全部安子さんが作ったそうです。座布団も自分で作ってしまいます。「本当にきれいなのよ。」そば屋で取材したため、見ることができなかったのが残念です。
 そばの話に戻りますが、そばを作っていて一番うれしい瞬間は「ごちそうさま」と言われたときだそうです。おすすめのメニューを聞くと、「全部おすすめです。」という答えが返ってきました。皆さんも一度お試しあれ。さっそく食べてみましたが、本当にこしがあっておいしいです。ごちそうさまでした。

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安子さん

居住地 三里地区 早川
取材日 2002/02/23
取材者名 遊佐 敏彦