山が俺を呼んでいる

 利之さんは、40年以上前から林業の仕事をしていて、朝はとても早いです。最近では、雨畑の方で働いていますが、雪の日などは、近くの里山で木を集めます。日曜日が休みというわけではなく、雨の日が休みで、毎月17日の山の神の日も休みになったりします。雨の日などは、仕事仲間とお酒を飲んだりしています。梅雨の時期や9月は雨が多く、仕事が休みの時が多いそうですが、10,11,12月は晴れの日が多く、山に仕事にでることが多いそうです。そして、冬場になると山で仕事は出来ないので、里山で仕事をすることが多いらしいです。また、以前は山に泊まることもあり、仲間と、蚊もたどり着けないような高地で仕事後に一杯やっていたこともあったし、木材運搬用の架線に乗って山から降りてきたこともあったそうです。日本の林業はここ15年ほど低迷していますが、林業が盛んなころは全国からここ早川町に人が来ていたようです。
 保の集落を取り囲む山々には昔金山があり、利之さんのお父さんも金山で仕事をしていたそうです。その関係があってか、保は早川町の中で一番いい立地にあり、公共施設などもあり中心的機能も果たしていると言ってました。また、水路が存在して、昔これを考え、実行した人には頭が下がる思いがするとのことでした。
 利之さんは、山の仕事をする中で、やっぱり秋の紅葉が一番好きだそうです。特に岩場の紅葉は美しく、11月半ば過ぎが盛りになるそうです。今は一時的に山から離れていますが、まだまだ70とは思えない元気さで頑張っています。

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居住地 都川地区 保
取材日 2001/08/28