新車の乗り心地はいかがでしょうか?

 良雄さんと典子さんのおうちは優しい水のせせらぎに包まれていました。
 僕らの訪問に典子さんは穏やかに、良雄さんは早川町のことや処世訓を熱く語って下さり、そのパワーに終始圧倒されてしまいました。
 このお方、なにやら役場の助役をされたり町会議員を四期も勤めたそうで、気の弱い僕なんかはその語勢にたじたじで、どもりがちに質問して、「はぁ?!」と聞き返され、「いえ、別に・・・」という感じでした。
 そんな良雄さんは若い頃、奉公しながら苦学されたそうで、「生きてるあいだはずっと勉強だよ」という重いお言葉をいただき、少々耳の痛い僕は「はぁー」とため息混じりに返すのがやっとでした。
 「人は常に挑戦しつづけなきゃいけない」とか「人の面倒を見たり、お世話することが一番大切なことだ」というお言葉は特に印象に残っています。そういうことってなかなか実践するのが難しいんですが、そのへんのところを良雄さんはとても自然体でこなしてるようで、ますます「すごい人だ!」と感じました。
 また、良雄さんは役場のお仕事や町会議員をされていたこともあって、早川町への思い入れが特に強く、「上に立つものは教育やみんなの幸せをもっと考えなければ駄目だ」としきりにおっしゃっていました。
 この年で瓢箪鯰(ヒョウタンナマズ)になってしまった僕には、89才の良雄さんから喝を入れてもらったようで、明日からはもう少し背筋をのばして生きていこうかな、なんて考えさせられました。

  • 新車の乗り心地はいかがでしょうか?

良雄さん 典子さん

居住地 都川地区 保
取材日 2001/08/28