粋な元大工

 安夫さんは、元大工。お父さんが橋本旅館に手伝いに行っていた学生の頃に親方に弟子入りし、学生を終えてすぐに大工の修行をしに富士見村に行ったそうです。修行はやはり厳しく、最初のうちはご飯炊きや子守りをやったりもしたし、修行の一貫として、鍋のふたやこたつのやぐらを作ったりもしたそうです。修行を終えてからは、横須賀久里浜や熱海にも仕事で行くことがあり、久里浜には4年も住まれたこともあるそうです。今までで一番心に残っているのは、芦川村での仕事で、村の人々がとても親切にしてくれたそうです。
 奥さんと結婚されてからは、今のお家に住みながら、型枠大工をされていて、保集落内の中学校や給食センター、集落を出たところの橋も造ってきました。やっぱり建物が立ち上がった瞬間が最高だそうで、一言で気持ちを表すと「気持ちいいねー」、そんな思い出の建物に囲まれて毎日を過ごしています。最近は、火曜日と木曜日にデイサービスで草塩の方に行って、仲間と歌を歌ったり、体操をしたり、茶碗に絵を描いたりして、楽しく暮らしています。

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安夫さん

居住地 都川地区 保
取材日 2001/08/30
取材者名 渡辺 聡