土いじり好きの区長夫婦

 朝次さんは区長さんをやっていて生まれは朝鮮です。父親の仕事の都合で5年生まで朝鮮にいて今の家には12年前に来たそうです。今は奥さんに教わりながら野菜作りをしていて、子供や孫に送ってあげるのを楽しみにしています。まだうまく作れないけど、あげた人から美味しいと言われるのがとても嬉しいようです。いろんな種類を作っているけど、サル、イノシシ、シカ、ハクビシン、カラスなどが畑を荒すことも多いそうです。山に檜等の植林が進み、杉や松が増え動物の餌が減ったため、特にここ10年くらいは被害が増えているとか。
 早川を離れてからも、朝次さんはたまに保に戻ってきていました。昭和20年の大火の時も、今の家は焼けなかったけど、他の家を直すために焼けた家の人たちが運んできた丸太を板に切り出したそうです。終戦と重なったこともあり、その頃の生活が一番辛かったようです。奥さんの節恵さんが保の出身で、知り合ったのもその頃だったとか。結婚してからは仕事の関係で東京に移り、家が見つかるまでは朝次さん一人で、住むところが決まってからは節恵さんも子供三人を連れて東京へ行きました。最初は知らない人ばかりで不安だったけど、物に関しては不自由なく暮らせるし、御近所の人とも仲良くしていたそうです。それでも保に戻ると決めた時はほっとしたそうです。やっぱりうまれた土地が一番安心できるみたいです。

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朝次さ

居住地 都川地区 保
取材日 2001/08/30