動物好きのおばあちゃん

 一江さんはハキハキと話し始めました。昔は娯楽のない時代でしたので青年団の人たちが芝居などをして村の人たちを慰労してくれたものです。自分も母役で出演して「声が小さいぞ!」と野次を飛ばされたこともあったとか。春と秋の祭りでは神楽を舞い、小学校でたまに開かれる映画鑑賞会がとても楽しみでした。
 旦那さんの武彦さんとは昔からの親戚で、「武彦」というのは一江さんの生みの親が付けた名前です。その武彦さんは18年前に大きな手術をしました。今年の6月までは元気でしたが体調を崩し、現在入院中です。親類の人たちの助けを借りたりして一日置きくらいに病院へ出かけるそうです。昔から旅行が好きだった武彦さんは、子どもたちや兄弟と一緒に旅で撮った写真を見せてあげると、大変喜ぶそうです。奇跡を念じて看病しておりますが、「もう年だし奇跡は起こらないだろう」と話していました。人生いろいろあるけれどこれも運命だから元気を出して頑張りたいと言っていました。
 そんな一江さんの心の支えは大好きな畑仕事をして子供らにできた野菜を送って喜んでもらえることだそうです。そして、子供や孫が結婚した時は本当に幸せだったと言っていました。動物も大好きで、昔はずっと犬を飼っていたけど、今は散歩をしてやることができないから、ピーコとポーコとポチの3匹の犬の置き物と、アロハシャツを着たクマさん、犬のぬいぐるみを可愛がっていました。

  • 動物好きのおばあちゃん

一江さん

居住地 都川地区 保
取材日 2001/08/30