いたずらしてます

 喜長さんは県道沿いの家に住みそこで自転車修理販売所を開いていました。県道からさらに山の方へのぼった、わらぶきの家で生まれました。屋根は新しく直しましたが、柱などがシロアリにやられてしまったそうです。今はもう誰も住んでいません。中学を出てからは畑や山で働きましたが、体を壊したこともあって、家を出ることにしました。もちろん父親の反対を押し切ってのことでした。その頃には珍しかった自転車の修理販売所に修行に出たのです。もう県道もでき始めた頃でしたので、需要が増えるだろうと考えたのです。「3年で一人前にしてくれ!」と言って修行させてもらったそうです。昭和30年代になると発電所の工事のため人口もピークを迎えましたが、その工事が一段落し、人が減っていくにつれて、このまま店鋪を大きくしてもやっていけないだろうと思ったといいます。その後は時代の動きにあわせて、車検などもやっていきたいと思いましたが、大転換し建設業の仕事につきました。
 町政モニターをやっていたという喜長さん。特に教育問題については熱心に話してくれました。最近は家庭も地域も子供に対して放任しすぎている、と言います。「車の運転と同じように、体で覚えて習慣になったように子供は生きていく。だから小さいころからの正しい教育が大切なんだ。」時代という言葉に流されるのではなく、原点に戻って教育を考えてほしいとのことでした。
 最近は家を改築・増築したり、ものづくりをするのが趣味という喜長さん。「いたずらしてます。」というのでよく聞いてみると、ものづくりのための道具から自分で考えて作ってしまうのです。「もっとこんな道具だったらやりやすいんじゃないかな?って考えるんだよ。」そうやって楽しみながら何かを作ることを「いたずら」と言っているようでした。

  • いたずらしてます

喜長さん

居住地 本建地区 小縄
取材日 2001/02/24