またあそびおいでよ

 鳶が空をすっと泳いでいる。小縄集落の一番てっぺん。小縄と川と、川向いの千須和集落を一望できる火の見やぐらのふもとをちょっと入ったところに渡辺喜一さんは住んでいます。ストーブの前できれいな"くの字"になっているのは、猫のピーちゃん。あったかい居間でお話をうかがいました。現在は収入役をなさっていますが、60歳。今年で役場を退職するそうです。やりがいのあった役職は?建設課での、ものをつくる楽しみ、目に見えて残るうれしさを教えて下さいました。
 若い頃は青年団に所属し、青年学級の勉強会やバレーボールなどの活動をなさっていたそうです。昔の懐かしみを思い出しながらも、最近の若い人達の活動のなさをうつむきかげんで語ってくれました。かつてのダムの話も興味深い。この時季には凍った水の上でスケートが出来たそうで、よく見に行っていたそうです。今はじゃりをうめてるからもう凍らない。上流文化圏も上流だけじゃなく、下流も、そうじゃないところも考えなきゃ。まちや資源、研究所の事も真剣に考えていらっしゃいます。上流文化圏会議にも全部参加されていて、自分の課に関係なくても、課長クラスなら全員参加すべきだとおっしゃっていました。
 喜一さんは現在5人暮し。奥さんと、息子さんと娘さんとお孫さん。間仕切りから手を出したり目だけのぞかせたり。人見知りで、とっても恥ずかしがり屋のレイナちゃんは今年で3歳だそうです。最後には一緒におこたにも入ってくれました。
 手作りの蒟蒻と、大根とイカのあったかい煮物をいただきました。奥さんは、御両親は早川の方だそうですが、宮城で育ったそうです。こっちに嫁いで戻ってきてから蒟蒻づくりもそばづくりもおぼえたそうです。それでも本当に美味しかった。美味しい土地の食べ物があるのは、本当にうらやましいですね。
 またあそびにおいでよ。帰り際には何度も言ってくれました。あったかい気持ちになるあったかい居間で、またゆーっくりお話をうかがいたいです。

  • またあそびおいでよ

喜一さん

居住地 本建地区 小縄
取材日 2001/02/24