はぎた坂のおばあさん

 はぎた坂を登ったところにある大きな一軒家に1人で住んでいるおばあちゃん。3年ほど前に民宿をたたんだが、以前は30人ほどのそろばん塾の子供たちや、作家の藤原新也さん、猟師さんや釣り人などが訪れ、忙しくきりもりしていた。今は小学生になる双子の孫と遊ぶことが非常に楽しみであるそうだ。
 おばあちゃんの家は山ぎわにあって、猪、猿、鹿もねいばーふっど。「知ってるだよ。芽がでる境の甘いとこ食べるだよ。」「猿の大きいのがのしのし。もう大きいかなっちゅうもんじゃないねん。」「飼い犬のどんが、急にたぁーっと行ったと思ったら川で鹿にかみついとって。かみついたら離れんで、すぅーっとでたと思ったらまたつぅーっともぐって、またすぅーっともぐったと思ったらまたつぅーっともぐって、最後には鹿もあきらめたじゃ。」意気揚々と話して笑わせてくれた。
 帰り際、おばあちゃんのつけたたくあんに加え、手際よく私たちのためにこんにゃくをつくって持たせてくれた。軽妙な話術といい、お心使いといい、さすが民宿のおかみさんが板についてるじゃね。

  • はぎた坂のおばあさん

おばあちゃん

居住地 都川地区 草塩