もう一度養蚕を

 今日は五三さん・春江さん夫婦のお宅に養蚕のお話を聞きに行きました。

 ますは養蚕を始めたきっかけ。春江さんは最初は他の家に養蚕のお手伝いに行っていたそうです。でもあるとき自分の家でやってみたいという気持ちが生まれ決心したとのこと。どのくらい飼っていたかというと、春江さんがお一人でやっていたので量は少なかったそうです。朝は、夜明け前に畑に出かけ日の出を待って桑を切り出し、仕事に行く前の旦那さんが運んでくれたそうです。ここは夫婦の共同作業なんですね。ちなみに朝のほうが葉が柔らかくていいみたい。大体は朝に一回とりにいけば夕方は足りない分を取に行くくらいでよかったそうですが、上葹する直前(繭になる直前)は食べる量も増えるので朝晩2回取りに行かなくてはならなかったそうです。蚕ってたくさん食べるんですね。切り出した桑を山から運び出すのはほんとに重労働だったようです。

 ところで五箇村には養蚕教師という人が来ていて、集落の一軒一軒を歩き回りそれぞれの家にいろいろ教えてくれたそうです。一番最初の養蚕教師は星野光太郎(中富町曙出身)という方だったそうです。彼は途中で体を壊してかわりに○○さんが来ました。彼は親切な人で家が居なくても「温度を何度にしたほうが良い」というアドバイスをメモに残してくれれたそうです。ちなみに字がとってもうまかった!彼は一年ぐらいでやめてしまい、次は佐野七郎(中富町曙出身)さんであったそうです。次は望月邦彦(鰍沢出身)さんで、その方はとても仲良しだったそうです。

 この前の再現を通じて感想は・・・「出来る事ならばもう一度やってみたいと思った」そうです。それはやっぱり「やはり生き物であるだけに育て居る時はかわいかった。情が移るからね。朝おきると真っ先に見に行く事も多かったよ。それに彼らを育てる事で生計をたてていたわけだからね」とのことでした。

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五三さん・春江さん夫婦

居住地 五箇地区 薬袋