健康おじいちゃん

 今年の4月で93才になるおじいちゃん。にもかかわらず、生まれてから一度も入院したことがないのが自慢です。男性で集落一の御長寿です。そんなおじいちゃんの一日は朝早く5時から始まります。暑くても、寒くても習慣で朝早くから目が覚めてしまいます。まずは家事をやってぬくとくなったら、畑仕事です。家の前の畑で、食べる分だけ野菜を作ります。おじいちゃんの足を温めてくれるのは、自分で作った炭です。山から採ってきた木を割って燃やして炭にします。以前は販売もしてました。20年ほど前は猟もやってました。イノシシ、ウサギ、山鳥、シカやクマまでもなんでも捕らえます。今は3人暮らしですが、去年まではおばあちゃんもいて、おばあちゃんも90才まで一回も入院しないで、集落一の健康夫妻でした。部屋には金婚式の時のプレゼントも飾ってありました。写真もたくさん飾ってあり、ひまごさんの写真でした。今度もう1人生まれるそうです。盆や正月は子供から孫、曾孫まで集まってきて賑やかになるそうです。子供が多くて戦時中は育てるのが大変でした。けど今はみんな家も家族も持って元気にやっていると嬉しそうに語ってくれました。
 早川の町のことは随分昔のこともよく知っています。道がないときは船を使ってたこと、大正に道ができて馬が活躍してたこと、石油ランプから電気に移り変わったことなど、はっきりと伝えてくれました。そんな元気ではきはき喋るおじいちゃん。今でも新聞のちっちゃな字だってメガネ無しでへっちゃらです。健康の秘訣を聞くと、「よく食べてよく動くこと。元気ならやる気も出るからね。」そう言いながら家で作った切り干し芋を出してくれました。腐らないように山に埋めておいた芋を切って2,3日干しておくと甘い切り干し芋になるそうです。「健康のために歩こう」と言っていました。今の人は車を使ってあまり歩きません。「健康で長生きは幸せだよ。」得意げに話してくれました。

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おじいちゃん

居住地 五箇地区 薬袋
取材日 2000/03/21