薬袋を支える努力家住職

 海慎さんは薬袋のお寺、円立寺の住職さん。お彼岸の時には一軒一軒回ってお経をあげてくれます。若いときは兄弟を養うために早くから働いて苦労をなされたとか。そんな海慎さんが住職になろうとしたのは、58才のとき。仲間に「どうせ無理だよ。」と言われてカチンときた海慎さん。「やってやろうじゃないか」と、いくつものお経を暗記しなくてはならないお坊さんの試験では、血のにじむような努力をしたと言っていました。試験に受かり、修行を経て、今の円立寺の住職となったわけです。
 元気いっぱいの気さくな人柄からは、今までの苦労を感じさせません。住居は薬袋の集落ではないですが、薬袋の方々に信頼され愛されているのがわかります。町のイベントにもよく参加して、ふれあいを大切にしていらっしゃってました。苦境を乗り越えてきたからこそ、思いやりを持って人と接していけるのでしょう。海慎さんのお経はまだまだ薬袋に響きます。

  • 薬袋を支える努力家住職

海慎さん

居住地 五箇地区 薬袋
取材日 2000/03/21