「すばく」の名人

 よしさんは、茂倉集落のおばあちゃん達を統括する元気なおばあちゃん。月に一度ほど郷土料理の「すばく」をつくり集落のおばあちゃんにふるまっています。3回のテレビの取材で、幻の郷土料理「すばく」を今もつくっているおばあちゃんとして、女優の石井光子、藤田弓子と共演して、茂倉で一番の有名人です。
 よしさんは、大正元年8月1日生まれの現在88歳。35歳の時に夫を鉱山で亡くして、一人で4人の子供を育てました。子供が他の地域で生活してより20年間一人で暮らしています。新倉には、3人の娘が生活していて、いつも面倒をみてくます。よしさんは、いつも「旅の者を大切にすると自分にもそれがいつかかえってくるから。」と言って、茂倉を訪れた旅人を快く迎えてくれます。私たちも、心一杯の歓迎してくださいました。気がつくとよしさんは、私たちにとって茂倉の第二のおばあちゃんになっていまいました。そんなよしさんは、茂倉のおばあちゃんにも人気者です。よしさんの自宅には、毎日というほど、おばあちゃんが集まり、よしさんの自宅の前と通るとおばあちゃん達の楽しそうな声が聞こえてきます。
 また、よしさんは、編み物が得意です。若いときは、子供たちに手編みのセーターを着せていました。今でも時間があれば、編み物をして、茂倉のおばあちゃんに配っています。今では、ほとんどのおばあちゃんがよしさんの手作りのセーターを着ています。山の中の雪の深いこの茂倉で、よしさんの手編みのセーターは茂倉の人たちの心と体を暖かくしています。

  • 「すばく」の名人

よしさん

居住地 三里地区 茂倉