すっかり茂倉の住民です。

 志づ江さんは、59年前に甲府からお嫁にやってきました。甲府の実家では畑仕事などはしていなかったので、茂倉での生活は非常に大変だったようです。来たばかりの頃は、寂しくて甲府に帰りたいと思ったことも何度もあったそうです。しかし当時は戦時中、自分が甲府にいると実家は食べ物が足りずに困ってしまうという気持ちが強く、自分は茂倉に住み続けることを決意したと言います。また、旦那さんや旦那さんのお姉さんが、茂倉での生活に慣れるよういろいろと手助けをしてくれたり相談にのってくれたそうです。
 しかし旦那さんは若くして亡くなってしまい、女手一つで子供6人を育てることになりました。それからは土建屋さんに15年間つとめていたそうです。今までやったこともなかった仕事なので大変だったけど、何もできない自分を雇ってくれた土建屋さんには本当に感謝していると言います。
 現在、子供さんは町外に出ていますが、孫10人、ひ孫も5人いるそうです。「盆や正月には家中大変な騒ぎになるよ」と、うれしい悲鳴をあげています。
 日頃は畑仕事などをしてのんびり暮らしています。毎年、自分で食べる分くらいは畑でつくるそうですが、年々サルに食べられることが多くなってきて困っていると言います。最近はサルもわかってきたようで、おいしいものが食べられてしまうそうです。
 おばあちゃんも茂倉に住んでもう60年目を迎えようとしています。すっかり茂倉の住民です。

  • すっかり茂倉の住民です。

志づ江さん

居住地 三里地区 茂倉