元気なお母さん

 「自分は集落のなかでも一番若いのでは」と話すおかあさんはとても明るく元気です。3人の娘さんとは離れて暮らしていますが、今年のはじめに生まれた初めてのお孫さんが可愛くて、たまにお孫さんの顔を見るのが楽しみで仕方がありません。
 茂倉で生まれ育ったおかあさんは、まず、子供時代の思い出を話してくれました。お母さんが子供の頃は、茂倉集落だけで同級生が20人ぐらいいたそうです。低学年の頃は集落の中にあある分校へ。高学年になってからは山を1時間以上も下ったところへ毎日毎日通ったそうです。でも、その道中は同級生とおしゃべりしながらのとても楽しい時間だったとか。でもつらいこともありました。それは、山のふもとにある集落の友達の家の前を通るときです。特に学校からの帰り道は、その家の前を通るとみそ汁や煮物の匂いがしたりして、おなかが空いたとか。自分はこの後1時間以上も山を歩いて帰らなければならない。想像しただけでもつらさが伝わってきます。
 若いころは、この集落から出て移り住もうと考えたこともあったそうです。しかし、ここでの生活が体に合っていて「結構いいもんだよ」と話してくれました。一週間くらい子供のところに出かけてみただけでも「こんなところで生活するのは性に合わない」と思うそうです。
 集落で一番若いということもあって、お年寄りへの気遣いなどいろいろと大変ではないかと尋ねたところ、「茂倉のお年寄りは畑仕事もやるしまだまだみんな元気だから大丈夫。」お年寄りが元気な理由は「やっぱり、隣近所とのコミュニケーションがあるからじゃないかなあ。言いたいこと言い合ってストレス発散するのが長生きの秘訣よ。」とおっしゃっていました。
 最近では集落の婦人衆で集まって造花や人形を作ったり、世間話をしたりするのが楽しみになっているそうです。つい先日には勉強をして介護の資格も取ったおかあさん、これからも元気です。

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おかあさん

居住地 三里地区 茂倉