素敵な声のおばあちゃん

 ゆきえさんは、きやすく居間に案内してくて、いろいろな話しを聞かせてくれます。84歳になり現在は茂倉で一人でのんびりと暮らしていますが、昔は大変苦労をしたそうです。幼いころから炭を十刻峠を越え隣町の鰍沢まで運ぶ「しょいこ」をしていました。当時、その駄賃で一つのあめ玉を買うのが楽しみであったそうです。「しょいこ」は、まだ日が昇らない午前4時に家を出ることもあったそうです。いつもは近所の3人で歩いていました。ある日、いつもの待ち合い場に時間になっても友達が来ないので、先に行ってしまったと思い、追いつくために一人で歩いていったそうです。真っ暗な山の中を一人で歩いたときはこれまでの人生で一番恐ろしい体験だったと言います。実は友達はまだ、茂倉にいたために結局、一人で最後まで歩いていったそうです。昔の苦労のために現在は、足が痛くて生活が大変だとおっしゃっていましたが、現在はのんびりと家ですごし、昼になると畑を見にいきながら友達とお話しをするという生活を送っています。お茶やさつまいも、漬物などをだして、「まあ、こうこう(つけもの)でもたべちゃー。」というゆきえさんの高くやさしい声が今でも心にこだましています。

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ゆきえさん

居住地 三里地区 茂倉