福祉を考えます

 やえこさんは、茂倉では一番若い世代の56歳。たくさんの一人暮らしのおばあちゃんに頼りにされています。そんなやえこさんも、今は一人で暮らしています。やえこさんは、茂倉の良いところと悪いところを指摘してくれました。茂倉の良いところは、集落中が家族のようで皆で助け合って暮らしていることであり、悪いところはお互いを絶えず監視しているようなところがあることだそうです。若くして独り身になったやえこさんには、他人の目が気になることもありました。しかし、昔から自分を知ってくれる人たちに囲まれてたからこそ一人でも生きて行けたとのだと振り返ります。結局は、茂倉が良いということでしょうか。そして、昔は若い人がたくさんいたのだとも付け加えました。よく公民館に20人以上集まって、茂倉の若者と鉱山の若い衆とでダンスパーティーをしました。若い女性は盆、正月になると若い男の人たちに見初められるように一番きれいな格好をしたと言います。やえこさんは、茂倉集落から外へ出ることも考えましたが、一人っ子で両親の面倒を見なければならなく茂倉に残ることにしました。そんなやえこさんは、家族は最大のやすらぎだと考えています。現在は、甲府、春日井、昭和に3人の息子が暮らしています。特に長男の孫がとてもかわいく、月に2回は会いに行き一緒にお風呂に入るのが楽しみだそうです。
 やえこさんは、保母さんをしていました。昔は茂倉にも保育園があったそうです。しかし、30歳すぎに役場の職員に転職しました。現在は、早川町の福祉施設である「長寿苑」で毎日お年寄りの介護をしています。早川町のお年寄りには「長寿苑」を生き甲斐にしている方も多いそうです。何から何までも面倒を見るよりもお年寄りにも役割を与えてあげることが一番大切だと言います。そして、これからは、お年寄りをはじめ、知的障害者や精神障害者などの施設入る必要がなくても一人では生活できない、いわゆる「中間の人のための福祉」をしていきたいとおっしゃっていました。
 また、やえこさんは、茂倉のおばあちゃんは、「長寿苑」をあまり生き甲斐にしてないとも言います。茂倉おばあちゃんには、茂倉でしっかりした役割があり、これが茂倉の最も良いところの一つであると感じました。

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やえこさん

居住地 三里地区 茂倉