茂倉の母

　はるえさんは、現在９３歳で５年前から一人で暮らしています。しかし、食事など自分のことはしっかりでき、しかも同じ茂倉に住む娘のふじえさんが毎日面倒を見てくれるので生活は全く困らないと言います。はるえさんは足が痛く、あまり外に出歩くことがでくないといいます。しかし、毎日午後ともなるとはるえさんの自宅に茂倉のおばあちゃんが集まってきます。はるえさんの家は通るとおばあちゃん達の大きな声が聞こえてきました。「茂倉の人は声が大きく言葉が汚い。初めて来た人にはけんかしているように聞こえるかもしれないが、本当は心のやさしい人たちばかりだよ。」とはるえさんは私たちに話しかけてくれました。実際に茂倉の人は、本当に親切で皆さんが見知らぬ私たちにも親切にしてくださいました。そして、その代表がはるえさんでした。そのやさしさに茂倉のおばあちゃん方もはるえさんのもとに集まってくるのでしょう。先日もお風呂をもっているはるえさんは、お風呂のないおばあちゃん達を呼んで貸してあげたと言います。茂倉の人はこのようにして、昔から助け合ってくらしてきたのでしょう。