山の活気を支えて

 おばあちゃんは同じ早川町の久田子からお嫁にきました。現在では息子夫婦と3人でここに暮らしています。嫁いできた当時は物も豊かではなかったため、慣れない畑仕事などもせっせとしました。他の家では『しだみ』(木の実)を山で拾ってきて、釜で茹でて突いて中身を出して、餅のようにして食べたそうです。
 今から30年以上前には、秋田などから多くの人が出稼ぎに来て、山に入って木を切り出す仕事をしていました。現在と違い重機もない時代でしたので、『よくあんな高いところまで人の通る道を作ったものだ』と感心したそうです。当時、家では雑貨屋と宿屋を開いていました。仕事にきた人が山に入る時や帰省をする時にはこちらの宿に泊まり、山に入っている間は食料や雑貨の仕送りをしていました。背中に大きな荷物を背負って山を歩き、朝7時頃に家を出ても帰ってくると夕方の5時くらいになってしまい、1日がかりで大変だったそうです。しかし、人もたくさんいたので,その頃が一番よかったと話してくれました。
 このお店も閉めてから3年ほど経ちました。現在は足の調子があまり良くなく、月に2回ほど草塩のデイケアサービスを利用しています。近所からも7人くらい利用しており、みんなで集まることがとても刺激になるので、とても楽しみにしています。

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おばあちゃん

居住地 硯島地区 本村(原村)