ハッキリ言う、ズカズカ言う
ふたことめには「おれは頭がわりーから」と言う。僕達の質問にも、そんなことできるか、ってニュアンスで応えるから、ちょっと気まずい人なのかなと思いましたよ、高光さん。「金があったらすぐ出ていくよ」とか言うし。でも長くはなしてみれば、なんてことはない。ただズカズカものを言う面白いおじさんでした。
「ここは人間の住む場所じゃないんだよ」なんて言うからびっくりしたんですが、関東大震災がもしおこったら、自分は元気だから大丈夫だけど病院通いのお年寄りはどうするんだ、本当にヘリはこんなところに助けにきてくれるのか、町や政府はそういうことについてどう考えているのか。すっかり議論に花咲いてしまいました。体が不自由になったらどうするんですか、って聞いたら「仕方がないから首吊って死ぬよ」ですって。大爆笑。それでも「人には迷惑かけたくない」という高光さんの心意気と裏腹なんですけどね。きっと。
「世の中がすすむってことは、反対じゃないけどいい面も悪い面もある。おれは昔の方が良かったな」。昔のこのへんの話や手ぬぐいに石をつめてケンカに備えた日々、火事で焼けちゃった家をみんなでなおしたときの話をしながらそうおっしゃっていました。「頭わりーから」なんて言って、ホントはいろんなことを考えている。かつ全部言葉にしてズバズバ言う。気持ちの良いお人です。僕も昔を見直す必要があると思います、高光さん。
高光さん
居住地 | 硯島地区 長畑・室草里 |
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取材日 | 2001/08/30 |