元気の源は・・・

 千枝子さんは3、4年前まで建設会社で働いていました。仕事を辞めたら、非常に寂しかったとのこと。でも、今では子どもが代わる代わる家に来てくれるので、寂しくなくなり、それが楽しみになっているそうです。子どもが家に来てくれるのは、うれしいのだけれども、子どもの家に行くのは非常に緊張してしまい、そのせいか、気が楽だし、空気がきれいで水がおいしい自分の家にすぐ戻ってきてしまうと言っていました。
 非常に落ち着くとおっしゃっていたご自身の家は、昔板葺きに石を置いた屋根だったそうです。そのころの暮らしぶりの話をしてくれました。その当時は水道などなく、共同井戸があり、それで水を飲んだり、洗濯したりしたそうです。水が足りないときは沢で水を汲み歩いて家まで運ぶなど、今の暮らしぶりからは想像も出来ないほどの苦労をしたそうです。また、子どもの遊びとして、ソリやメンコ、魚釣りなど男の子がする遊びと、お手玉のような女の子のする遊びがあったそうです。でも、千枝子さんは自分より年下の兄弟を世話しながら男の子とも一緒に遊んだりしたそうです。結構活発な女の子だったんですね。
 現在千枝子さんは畑仕事をよくおこなっています。室畑は畑の位置が非常に急斜面にあり、そこに行くのも大変で、背負子に野菜を入れて降りてくるなど非常に足腰を使うので、多少膝が痛いとも言ってました。でも、体全体はいったって健康で、毎日体を動かしているのがいいのではないかと、その秘訣を語ってくれました。また、日中はなるべく出ないで、食べ物にも気をつけるようにもしているそうです。
 現在の悩みは、車がないから外に出るときに誰かに頼まないといけないのが不便であり、周りの人に迷惑をかけてしまうことと言ってました。食料なども移動スーパーもこないので不便ですが、静岡の方から魚屋が週1回くるので非常に便利になったそうです。
 集落に住んでいる人も少なくなり、行事なども大変ですが、息子が来てくれるので非常に助かると言っていました。ついつい息子に頼ってしまうそうですが、家に来てくれるのが非常に楽しみで、心細くなったときなどは非常に元気になる源だそうです。

  • 元気の源は・・・

千枝子さん

居住地 硯島地区 長畑・室草里
取材日 2001/08/29