山や川を楽しむ

 増雄さんは、大滝温泉旅館の2代目です。といっても旅館の仕事は主に奥さんがなさっていて、増雄さんご自身は郵便局で働いています。残念ながら町内の局から異動で増穂町の局に配属になってしまい、片道約50分かけて通勤しています。増穂の人からは、「早川町なんかに住まないでこっちに出てくればいいじゃん」といわれますが、その気はまったくありません。
 どこで生活しても、そんなに違いは感じません。それなら、空気もきれいで、山に行ったり釣りをしたりできて、のんびりして静かな早川町が一番です。都会と言っても、お店があるだけで、お金がかかるだけです。休日も、パチンコやマージャンより、山に入ったりするほうが楽しいのです。山に行くと、旅館に引いている鉱泉や水道の配管の管理という大事な仕事があります。いくらでも仕事はあるので、休日もあっという間に過ぎてしまいます。
 周りに気兼ねしなくて良いのも、いいところです。都会だと、みんなが同じことをしているような感じで、周りを気にしなければなりませんが、ここではそんな心配はありません。
 若い人が早川町に住まないのは、職場がないせいだと考えます。職場があるからといって人口が増えるとは思っていませんが、職場がないと話しが始まらないのです。また、「これがダメだから過疎になるんだ」ということではなく、全体的なことがかみ合って過疎になっていると考えています。だから、いくら道路ばかりを良くしてもダメだし、何かひとつをやってもダメなのです。
 これからは、今住んでいる人を大切にして、あとは、田舎が好きで移って来る人を受け入れることが重要、という増雄さん。若いうちは都会がいいと思っても、だんだん田舎がいいと思うようになる、とも。
 早川で自信を持って暮らしている増雄さん。早川町の、そして中洲の若手としてこれからも活躍して下さい。

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増雄さん

居住地 三里地区 中洲
取材日 2001/12/03