お母さんは、元美容師

　なつこさんは早川の高住生まれ、結婚を機会に奈良田きました。それまでは小学生くらいの時に一度きたことがあり、奈良田湖でボートに乗せてもらったそうです。
　早川町でも奈良田は別世界で、特に言葉の違いが大きく今でも時々分からない言葉が出てきます。おとなしい感じの言葉で、特にイントネーションに大きな特徴があります。また、民謡も独特で、とても真似のできない特徴的な踊りです。保存会の集まりがあり、奈良田に来た当初、義父に言われて参加していたおかげで集落のコミュニティーにも入っていくことができたそうです。
　なつこさんはもともと美容師で、以前は役場のそばに美容院があり、そこで働いていましたが、子どもが生まれたのを機会に子育てに専念しました。子どもが少し大きくなった頃、奈良田の里温泉ができたので、開設当初から働きはじめ、今年の４月から草塩温泉に移ってきました。奈良田から草塩までは30分くらいかかり、車で来るだけでも日に焼けて大変ですが、季節を感じられるので楽しく通勤しています。
　子どもは3人いますが、全員息子なので、最近の子どもらしく家で話をしたりすることが少ないのですが、息子の一人が美容学校に通うようになったので、共通の話題ができました。息子がアフロヘアーなので、よく髪をセットしてあげながら話をしているそうです。
　休みの日はほとんど家にいることはなく、玉穂町に息子やおばあちゃんが住んでいるのでそちらへ出かけていくことが多いそうです。奈良田は教育面では不便なので、ほとんどの人がセカンドハウスを持っています。免許があるので車を使えば甲府まで1時間～1時間半くらいで出られるので、ちょくちょく気晴らしに出かけます。
　しかし、奈良田までの道は一本道で回り道がないので、災害がおこって道が通れなくなると孤立してしまってとても恐いそうです。安全に暮らすためには今の道の他に別のルートが必要だと考えています。
　今回はお仕事の合間にもかかわらず、いろいろ楽しいお話を聞かせていただくことができました。とても明るく活動的な方です。