仕事は元気の素

　安さんは今、奈良田の里で働いています。休日の昼食の時間帯などは特に大忙しです。『畑もやってるから忙しくて大変だけど、やっぱりにぎやかで楽しいよ。』と明るい笑顔を見せてくれました。お客さんとのおしゃべりも楽しくて、今の仕事は安さんの元気の素になっているようでした。
　ダムができたころはちょうど子育てをしていた時で、そのころは女性も山や畑を忙しく歩き回っていたそうです。畑も今よりいっぱいあって、重い荷物を運んで大変だったそうです。でも、思い返してみるとなつかしい思い出だと話してくれました。
　安さんにはお孫さんが７人もいますが、お孫さんたちもだんだん大きくなるにしたがって遊びに来る機会も減ってきてしまったと、残念がっている様子でした。
　『温泉ができて、うんとうれしいよ。』という笑顔の裏には、もし温泉ができていなかったら今の仕事も無いし一体どうなっていたんだろう、という不安もあるようです。そういう意味でも、今の生活を本当に楽しんでいるようでした。
　坂の多い奈良田の集落ですが、安さんのお宅から仕事場の奈良田の里へは横に移動するだけなので苦労も少なく、仕事と言っても生活との関係が深いようです。そういう意味でも、仕事をしていることが安さんの元気の素になっているのが感じられました。これからもお元気で、奈良田の里に通ってくださいね。