奈良田の写真家

 正晴さんは月に3~4日は山に行って草花の写真を撮っており、その写真は、早川町歴史民俗資料館にも展示されています。山に登るのと草花の写真を撮るのとではどちらが好きか、と尋ねられるとやはり山へ行くのが好きで、カメラは記録の手段、とのことでした。
 18歳の頃から山に行き始め、最初は山の写真を撮っていました。ところが、ある時山を歩いていて、自分の探していた花と出会い、その時のインパクトの強さ、本物の美しさからこれは記録したほうが良いのではないか。また、それを記録することで、自分の地域を知ることが出来るのではないかと考え、元々山へ行くことが好きであったこともあり、その山で出会った珍しい植物を記録するようになったのだそうです。その探していた花と出会った時には本当に心が踊ったそうです。現在では、ただ写真に取るだけでなく、個体数や様子、そしておおよその場所なども記憶しているそうで、これらをどう活かしていくか思案中とのことです。
 現在は植物との出会いが楽しく、ライフワークのようにもなってきており、朝早起きして出勤前に山に行きついつい長くなって遅刻してしまうこともあるそうです。
 山は、ここ奈良田の他、雨畑や三里などこの付近が多いそうですが、特に雨畑の奥の山は種類が豊富なのだそうです。五箇、本建、三里の一部は、また奈良田のほうとも植生が違っていてこれは土壌の成分が違うからかもしれない、岩石の種類とその植生を調べて比べてみたら面白いかもしれないとおっしゃっていました。
 週末はイカス娘さんたちの住む町外の家に、早川のおいしい水を持って行っています。しかし奈良田のほうが自分に合っているので、そこではなにか物足りない、とおっしゃっていました。奈良田も最近林道開発で便利になった反面、環境や生態系への影響の大きさを心配しており、特に、生育域の狭い植物ほど影響を受けているそうです。
 このように環境について考えるようになったのも、自然の尊さ、自然の偉大さを教えてくれるような一輪の花との出会いが会ったからで、自然に対して畏敬の念をもって接することが出来ればとおっしゃっていました。

  • 奈良田の写真家

正晴さん

居住地 西山地区 奈良田