民謡ならおまかせ
ふみえさんは今一人暮らしをしています。でも、寂しくはありません。最近は非常に忙しくしています。といくのも、ふみえさんは民謡や民話の名人だからです。早川北小学校では小学生相手に奈良田の言葉で民話を話し、ラジオで金田一先生と話し、NHKにも出たりしました。昔、山梨県の代表として民謡をに東京国立劇場や伊勢神宮にも行ったりしたそうです。
ここ奈良田には白樺会という団体があり、その中の民謡保存グループがあり、民謡を覚えたり、民謡以外にも奈良田独特の踊りを覚えたりして、後世に奈良田の伝統的なものを残そうとがんばっています。奈良田には非常に多くの民謡や踊り、さらに言語が残ってます。それらのものは日本の中でも非常に珍しく、学術的にも貴重です。そのグループの中でもふみえさんは中心的な存在です。
また、ふみえさんの旦那さんは深沢正志さんといって、奈良田の学者です。去年お亡くなりになったのですが、奈良田について一番詳しく、奈良田の歴史、伝統を残そうとがんばってきたリーダーでした。「秘境奈良田」いう本を出しており、それによって奈良田の存在が世に示されたのです。それ以外にも、焼畑の時の農耕道具などを採取し、それが早川町歴史民俗資料館の基になっています。奈良田にとって非常に重要なものを残してくれた人でした。
ふみえさん自身も生まれも育ちも奈良田なので、昔のことを良く知っています。奈良田の昔を振り返り、「地形が変わってしまった。昔の面影がなくなった。昔は情緒があった。川沿いには百合の花が咲いたり・・・」と少し寂しげに言ってました。発電所もなく電気もない時代だったにもかかわらず、今思い出すと非常に懐かしいそうです。奈良田の七不思議に出てくる二羽ガラスの話も、昔は本当に二羽しかカラスがいなかったそうです。
最近の楽しみは週2回ほど行く温泉と、さわやか大学です。奈良田の里には13年間働いていたりして、思いはなおさらあるそうです。さわやか大学は町民会館でやっており、月1回おこなっています。歌ったりゲームをしたりして、他の集落の友人と会える数少ない時間です。他の集落の人とは西山連合婦人会や早川連合婦人会で知り合い、今でもずっと友人です。
これからも奈良田の民謡を歌ったり、みんなと会って元気良く暮らして下さいね。
ふみえさん
居住地 | 西山地区 奈良田 |
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