ふたつの家

 萬教さんは昔から機械いじりが好きだったそうです。僕らが伺った時も、何やら鉄板のようなものをトントンと金槌で器用に曲げて、箱を作っていました。そんな萬教さんは日本各地のダム建設にかかわってきました。長野や群馬の山を岩盤調査のためのボーリングの部品をしょって歩き回ったそうです。その後は福岡の地下鉄トンネル補強や、羽田空港の埋め立て地の地盤固めなどの仕事に携わってきました。まさに、日本の発展の地盤を築き上げるお仕事です。
 仕事を退職された後は、毎日のんびりと暮らしているそうです。お子さん家族が住む甲府と早川の間を行ったり来たりする生活です。15日間くらいの間隔で両方の家を往復しているそうです。甲府ではパチンコなど都会の娯楽を楽しみ、早川では大好きな温泉に行ったりしています。また、友人と伊豆に旅行に行ったりもしているそうです。あ~、なんて羨ましい生活なのだと思ってしまいました。
 萬教さんは兵隊のご経験もあります。終戦は天津で迎えました。その後早川に戻り、建設関係のお仕事に就きました。
 機械いじりが好きな萬教さんは、電気や水道の工事のことなどはご自分でやっているそうです。「早川での生活には何の不便も感じない」と言うのは自分でいろいろと生活する力を持っているからというのもあるのですね。とても素敵な生活をしていることがひしひしと伝わってきました。

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萬教さん

居住地 都川地区 西之宮
取材日 2002/02/22