家の中に電話BOX

 電話室って最近はなかなか見る事ができないですよね。昭和21年くらいに雨畑に電話が引かれたときにこの家でも引いて、この電話室が来たんです。その当時は加入者達自身も、電柱を建てて電線を張る工事をする業者を手伝ったりして苦労もあったみたいですが、雨畑では8軒ほどで大変珍しいものでした。老平の部落には3軒だけで、村の人々に用事などがあると夜とかも呼びに行ったり村の人が電話を借りに来たりしていたそうです。現在は電話室としての使用はしていないようでしたが、時代を感じることのできる物でした。
 てる子さんは畑で大豆、小豆、野菜、とうもろこし等を作って子供達に送るのが楽しみになっているようです。昔は広くやっていたそうですが、だんだん遠くの畑からやめていって今では家族で食べる分ほどしかやっていないそうです。村の祭りのときには「おはと」と言われるお米をうすでついて丸めたものを神にそなえる習慣があります。その他にもモチをついたり赤飯を炊いて近所の人々にくばって一緒に楽しんでいたそうです。玄関先には立派なうすがありました。今ではなかなか日の目を見る事は無くなったと言う事ですが、いつかまた親戚中で集まった時に活躍するのでしょう。

  • 家の中に電話BOX

てる子さん

居住地 硯島地区 老平
取材日 2002/08/05
取材者名 今田 治宏