退職してからやっと二人でのんびり暮らし

 「あら、いらっしゃい。どこからきたの?」そんな声に誘われるように、僕らがお邪魔したのは一雄さん、はなゑさんのお宅。お宅の入り口にはウサギ小屋。よくよく覗いてみると、奥にウサギが一羽。実はこのウサギの糞が重要で、それを畑にまくと、タマネギがよく育つらしい。半信半疑で実物を見せてもらうと、大きい!立派なタマネギでした。
 昔は、一雄さんは東京電力に勤めていていました。最初は、早川町で発電所の運転の仕事をしていましたが、仕事が出来るということで班長になり、主任になり、所長になりと、役職が上がるにつれ、甲府や塩山にも単身赴任するようになりました。そのため、一雄さんが家を空けることは多く、畑仕事ははなゑさんの仕事。4反の畑で主にこんにゃくを作っていて、年間300キロを役場に出荷しているそうですよ。家畜も鶏、ヤギ、羊を飼っていて、鶏からは卵を、ヤギからは乳をとり、羊からは羊毛をとって、甲府で毛糸にして、昔は息子さんのセーターなども作っていたそうです。
 二人で生活できるようになったのは、一雄さんが退職してから。今は一雄さんも畑に出て、二人で仲良く暮らしているそうです。お子さんは、今は皆老平から離れて暮らしているそうですが、母さんの畑でとれた野菜は味が違うと喜んで食べているそうです。もうすぐお盆で、みんなが帰ってくるのが楽しみですね!

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一雄さん はなゑさん

居住地 硯島地区 老平
取材日 2002/08/04
取材者名 本田 智比古