「人が面倒くさがることをする」主義

 可愛い孫に会いに行くために、52歳という年齢も気にせず、「夢中で教習所に通い」運転免許を取る。それを聞いてこっちが微笑ましくなる。そんな方もいるんですね。年子さんは行動力のある方です。趣味である料理を作るときも、そば打ち、餅つきなど、市販のものを買わず、できるだけ自分の手で作る。料理を作る過程を楽しむのが良いと言います。普通、人が面倒くさいと思うような作業をあえてするのがモットーだそうです。
 年子さんは昭和9年、大島生まれ。子どもの頃の遊びはムクの木の実で遊んだり、もみがらを布で包んでボールをこしらえ、ドッジボールをしました。戦時中は家から1里も離れた小学校へ通うのが大変でした。デコボコの道を一時間もかけて通う年子さんのために、お母さんがわらぞうりを作ってくれたそうです。ぬくもりのあるわらぞうりの作り方を「あれは習っておけば良かった」と年子さんは懐かしそうに思い出します。こうした体験が年子さんの、なんでも自分の手で丁寧に作るというスタンスにつながっていると思います。年子さんが花嫁修業のために外へ働きに出かけたことがありました。その勤め先の奥さんの一言が印象に残っているそうです。「面倒な事をするのが女の仕事です」。細かくて面倒な作業だからこそ自ら率先してやる。筆者はこの話を聞いたときは大変感動しました。
 年子さんの趣味は、料理と、野菜作りです。野菜やゴマせんべいを作って、お孫さんの所に届けるときが一番幸せだそうです。もちろんご自分で車を運転して。年子さんの手作りへのこだわりは本当に美味しいものを生み出します。我々も年子さん自慢のゴマせんべいを頂きました。これがうまい!どうもありがとうございました。

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年子さん

居住地 硯島地区 大島
取材日 2002/03/03
取材者名 設楽 浩