水の光用

 保育所のお隣に住むまさ江さんには、晴れ渡った日に取材をさせて頂きました。お掃除中の所にお邪魔してしまった私たちだったのですが、今の早川、昔の早川について快くお話して下さいました。
 健康のため、冬の間は、週に1、2回、温泉に行かれたり、さわやか大学に通って手芸品を作ったりするそうです。ゆっくりと1年間かけて制作する形態で、以前参加された時には、手提げを作られたそうす。大学生と来年、看護学校に進学される二人のお孫さんのおばあちゃまだとは、到底思えない、その若さの秘訣なのかもしれません。横浜にいらっしゃる息子さんやお孫さんは、まさ江さんのきんぴらを楽しみにして来るそうです。ごぼうとにんじんをピリ辛で煮含めた味は、おばあちゃまの味として受け継がれていきます。味覚の受け渡しがなされても、やはり、塩島の人々が少なくなっている現状では、お宅や生活の継承が難しく、何より隣近所が寂しいことが残念だと、まさ江さんはおっしゃいます。息子さんが、小学校に通われていた頃は100人以上いた生徒も、今では10人ちょっととなっています。
 しかし、人口は減っても、早川の水は変わらず清らかな流れのままだとの言葉が印象的でした。暖かい太陽を巻き込みながら流れる早川。その流れが、効用となり、人々を惹きつけるのでしょう。

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まさ江さん

居住地 三里地区 大原野・塩島
取材日 2001/12/02