毎日が楽しくて・・・

 「お話聞きたいの?何から話そうかしら?」
 愛犬「チャッピー」の散歩に出かける百江さんに伺うと、めちゃくちゃ明るい答えが返ってきました。散歩に行きたくてしょうがない「チャッピー」には少し我慢してもらって、百江さんにお話をしていただきました。
 笹走で生まれて以来、19歳で結婚するまでこの土地で育ちました。春には「大麦・小麦・そばをつくり、夏に大豆・きび・粟を作ったの。ほら大麦は麦飯になるでしょ。それから小麦はうどん、そばはそば。大豆はみそになるし。」。年に5回ある祭りが楽しかったとそうです。昭和30年にはそれまで水道のなかった笹走集落に、榑坪発電所からパイプを担ぎ上げて、みんなで水を引いたといいます。「笹走のいいところ?やっぱり空が広い所じゃないかしら。朝から晩まで日が当たるから。でもね、農作業は日が照っている間はずっとやらなきゃいけないの。だからここでは『嫁泣かせ』っていう言葉があったわ。畑は女の仕事だからね。そういうこともあってここの人はみんな働き者なの。」
 百江さんは結婚してからずっと町外に住んでいましたが、夫が亡くなったことと子どもが独立したことを契機に6年前に笹走に戻ってきました。しばらく空き家になっていた実家を建て替えて住んでいます。
 百江さんは昨年の3月からゲートボールを始めました。「ゲートボールは奥が深いのよ。やり始めたらきっとはまるわ。毎週2回やっていてね、去年の12月には審判の試験を受けて受かっちゃったのよ。それがうれしくてねぇ。スキーもしたいんだけどさすがにちょっと怖くて・・・。」今は民生委員もやり、お年寄りの介護、送迎、声かけなどもしています。百江さんの趣味はまだまだあります。この前は「歩け歩け」という企画で、下山から差越を越えて米無川まで来て、その後笹走まで歩いたそうです。「パソコンを覚えようと思っていてね、とりあえずメールくらいはできるようになりたいの。そうしたら子どもや孫とメールができるでしょ。忙しいけど何でもいろんなことに挑戦するのが楽しくて・・・。それがわたしの生きがい!結婚してからは主婦業と子育てに専念していたけど、独り身になってからは今までにない自由があるし、不満なんかないわ。毎日が楽しくて、もう最高。」そう言って今年で4歳になる「チャッピー」と一緒に、楽しそうに散歩に出かけていきました。

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百江さん

居住地 五箇地区 笹走
取材日 2002/02/26
取材者名 遊佐 敏彦