タマうちはやめられない

 輝昌さん・やす子さん夫妻の住むこの集落は、昔から住んでいる人は少なかったそうです。ここは県道まで1800m、高低差約200mあり、それを昔は歩いて登り下りしていました。集落が2軒になってからも、毎年春と秋には集落の祭りをやっていました。さすがに1軒となった今では、お祭りはやらなくなってしまいましたが、3年ほど前に、ようやく集落の前まで車が入って来れる道が整備され、3人のお子さんが月に一回は遊びにきてくれるので、寂しさや不便さはさほど感じないようです。ときには魚屋さんも家の前まで来てくれます。
 早川町で生まれ育った輝昌さんは小学校の頃は本建にある学校まで毎日長い距離を登校していました。昔は畑以外に田んぼもあり、となりの集落に住んでいる人もここに田畑を持っていて、40分もかけて耕しに来たこともあり、今でも差越と夏秋の人々は仲がよいそうです。なかでも文雄さんとは昔から差越と夏秋をお互いに行き来する仲でした。今でもたまに電話で話します。
 輝昌さんは昔土建屋に勤めていて、退職後は熊や猪などを捕まえに、山に狩猟をしに行ったりして毎日を過ごしていました。2、3年前にその狩猟もやめてしまい、現在の楽しみは、となりまちまで下りてパチンコをすることです。行きは歩きですが、さすがに帰りはタクシーで帰ってくるそうです。
 やす子さんは、歌を詠むことが好きで、毎年、文化祭や短歌大会に自分の作品を出しています。そんなやす子さんは代々伝わる巻き物を見せてくれました。写真にあるのがそれなのですが、そこには清和天皇から続く家系図が一代づつ丁寧に書かれています。これからも元気にお暮らし下さい。また遊びにいきます。

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輝昌さん やす子さん

居住地 本建地区 差越・夏秋
取材日 2001/08/28