生涯学習の人

 高い天井に、黒い大黒柱と黒い梁、自作の絵の飾られた程よく暗い土間から迎え入れられました。作太郎さんは68歳。現在は89歳のおかあさんと暮らしています。奥さんは60歳、郵便局での勤務を終え、娘さんの孫の世話で、離れて暮らしているそうです。作太郎さんの家屋は柱などを替えてはいるそうですが、それでも歴史の重みを感じさせる風貌で、柱や梁などは程よく黒く、光沢を帯びています。これは、囲炉裏の煙がつくった、生活の一断面なのだそうです。
 最近は月に1回ほど、退職された先生方と古文書に関する読み合い会、つまり勉強会をなさっている作太郎さんは、生涯教育の人そのものです。小学校の教師を38年務めました。早川では平成元年に北小の校長先生として迎えられ、平成2、3年は南小でお勤めをなさったそうです。その後は教育委員会で4年、現在は教育委員長として活躍なさっているそうです。 総合学習に関するお考えは? 北小のわらべまつり、南小の吹奏楽、中学の白鳳太鼓。元々総合的学習が早川にはある。総合学習に対する考えも意識も実態も、都会はまだまだなようです。
 最近歯を抜いたから。ずっとはずさなかったマスクをとり、ジャケットをさっと召された作太郎さん。穏やかな姿勢と素敵な声をお持ちの方です。

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作太郎さん

居住地 五箇地区 千須和
取材日 2001/02/26