千須和旦那の決断

 おさむさんは高校を出てからすぐ東京へ行きましたが、家庭の事情で千須和ヘ戻ってきました。家族にとって田舎がどこにあるのか、ということはとても重要で、生まれた所は残しておきたい、誰かが守らねばとおさむさんは強く思っています。
 現在、千須和には分譲住宅や集合住宅が建っていますが、そこの土地は昔は一面田んぼでした。限られた日射時間を大切に考え、少しでも長く日が当たる場所に田んぼを作り、家は日のあまり当たらない斜面に建てました。大切に育てた田んぼが次第に人手不足などの理由から放置されました。その土地に次男坊対策、I,J,Uターンの人のための分譲住宅、町営住宅の話が持ち上がりました。おさむさんは最初は反対でした。土地を売るということは財産を減らすこと、親から受け継いだ土地を手放すこと・・・・。しかし、まちのことを考えて、若い新しい人が入ってきてくれればと思い、手放すという決断をしました。あの住宅にはそういった思いが込められているので役場にはきちんとした使い方をして欲しいと、強く願っています。

  • 千須和旦那の決断

おさむさん

居住地 五箇地区 千須和
取材日 2001/02/25