文化の持ち主 ~減らないビールを飲みながら~

 空五さんは中学を卒業してからよその空気を味わいたいという理由で東京へ出ました。2年間材木の仕事を勤めて、長男だからという理由で早川に戻ってきました。戻ってきてからは役場へ2年勤めた後、現在の森林組合へ入ったそうです。林業の仕事は昔は業であったが今は業ではない。また、21世紀は林業の時代というのが38年間森林組合に勤めた空五さんの持論です。というのも、森林が酸素の工場であり、水の源であり、山というものだからだそうです。
 空五さんはいろいろな遊び(文化)の持ち主です。魚を捕る技術一つとっても、ひぶり、川ぼっしゅ、麦わら、ぶって、下げばりなど多種多様な技術をその時の状況にあわせて行うそうです。夏はウナギ捕り、田圃の草取り、冬はスズメ捕りが子供の仕事だったそうです。その技術を二人の息子さんにも教えたそうです。技術と言うのも罠の作り方から仕掛け方までいろいろな断面があってそれを全て実体験を持って伝えると言う事を重んじてきた様です。今はそういった文化をどういった形でどのように伝えるかを模索中の様です。
 確かに、早川という地はハンデもたくさん背負っているが、その分いいところもたくさん持っていると言います。今はそういった早川の中の面白いところをまとめる事を考えているそうです。
 最近、子供のためでなく、ここに住み続けたいという理由で新しく家を建てた背景にはこういった文化を伝えたいということも隠れている気がしました。
 この2000人のホームページで取材にいくと”減らないお茶”をよくいただきます。この取材では”減らないビール”を戴きました。ありがとうございました。

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空五さん

居住地
取材日 2001/03/02