「ありがとう」の精神

 下湯島での取材初日に突然お邪魔した私たちを最高の笑顔で迎えてくださった美代志さんは1948年に嫁いでから、50年以上下湯島に暮らしていらっしゃいます。今は亡きご主人はお勤めに出ておられましたが、美世志さんは麦やお野菜などを育てていたそうです。昔は人工肥料が売られているわけでもなく、麦を撒く前は刈った草と堆肥を混ぜて敷き詰めて、肥料にしていたそうです。麦やそば、きびなどは、稲作ができない土地だったこともあり、重要な食糧の1つであったと話して下さいました。

 3人の子どもさん達は皆、早川町外にお住まいですが、普段からとても美代志さんのことを気にかけてらして、とても親思いなので、困ったことや早川町を出たいと思ったことはないとおっしゃいます。また、子供さんだけでなく集落の方も皆、家族のように親切で、連帯感もあり落ち着けることも、「ここに住み続けたい!」と思い続ける一因だそうです。

 秘訣をお伺いしたところ、家族や集落の方と触れ合う中で常に「ありがとうの精神」だけは忘れたことがないそうです。それはとても近い親子の関係でも必要なことで、感謝を忘れない気持ちこそが助け合いの精神を生み、1人じゃできないことも周りの人たちと支え合うことによって可能になり、物事がスムーズに進むのだろうと教えて下さいました。

 「今が一番幸せ!」と断言される美代志さんは素敵に輝いていました。

  • 「ありがとう」の精神

美代志さん

居住地 西山地区 下湯島
取材日 2002/08/24
取材者名 原田 絵美